37年連続増配、米国の石油企業では一番の安定配当株+高配当株です。
ということで、こんにちは! 20代怠け者(@20sInvest)です。
今回注目してみたのは、米国の石油メジャー最大手「エクソンモービル」です。
この企業の過去20年間…1999年から2018年の間の年間配当金と増配率を、見ていきましょう!
目次
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【XOM】エクソンモービル
chrisdorney / Shutterstock.com
エクソンモービルは米国・テキサス州に本拠地を置く石油メジャー最大手です。
石油メジャーの事業内容は「石油の採掘」「石油製品の生成」「販売」までを一括して行う巨大企業のことを指します。
ティッカーは【XOM】です。
エクソンモービル自体の設立はまさしく1999年ですが、もともとは別々の石油企業である「エクソン」と「モービル」が合併して「エクソンモービル」という1つの大企業になったという経由があります。
この2社とも、かつては米国企業「スタンダード・オイル」が分裂して出来た企業であることから、スタンダード・オイルが再統合されて出来た企業、という考え方もできますね。
米国企業ですが、世界各国に渡って採掘から製品の販売までを行っています。
米国企業ですが海外での売上が「76%」を占めており、米国経済に依存する比率は低いといってもいい感じです。
【参考①】2018年のファクトシート
2018年版のエクソンモービルの投資家向け資料(IR)には、以下のようなデータが掲載されています。
- 従業員数:232,374人
- フリーキャッシュフロー(FCF):19.5ビリオンドル
- 年間の研究開発費:1ビリオンドル
- 1日の石油製品の販売数:550万
- 2018年の全体売上:21ビリオンドル
- 2018年の米国内での売上:5.3ビリオンドル (売上の24%)
- 2018年の米国外での売上:17ビリオンドル (売上の76%)
【参考②】米国内・海外との売上比率
その中でも最も重要であろう、米国国内と海外との売上比率は、以下の通りでした。
(単位:ミリオンドル) | 米国内 | 米国外 |
---|---|---|
上流部門(探鉱開発・採掘) | 1,739 | 12,340 |
下流部門(精製) | 2,962 | 3,048 |
化学部門 | 642 | 1,709 |
合計 | 5,343 | 17,097 |
割合 | 24% | 76% |
世界各国で売上を上げており、売上の全体の76%を占めています。
まさに4分の3は海外での売上ということになるわけなので、エクソンモービルに投資すると、米国にかかわらず海外の成長も取り込めるということになりますね。
【参考③】売上は右肩上がりではない点には注意
ただ、エクソンモービル自体は常に売上が上がっているというわけではなく、2015年・2016年に大きく売上を下げてます。 (配当金はその間も増配してます。)
原因は原油価格の下落ですので、エクソンモービル自体に理由があるとは言い切れません。
原油価格の下落や上昇は政治に大きく影響されるので、この辺の影響を受けるというあたりは石油系のエネルギー業界のキツいところですね。
2017年・2018年は回復傾向にある…というところでしょうか。
【実績①】エクソンモービルの年間配当金の推移
ということで、過去20年間の年間配当金の推移は、以下のとおり!
年 | 年間配当金 | 増配率 |
---|---|---|
2018 | $3.23 | 5.6% |
2017 | $3.06 | 2.7% |
2016 | $2.98 | 3.5% |
2015 | $2.88 | 6.7% |
2014 | $2.70 | 9.8% |
2013 | $2.46 | 12.8% |
2012 | $2.18 | 17.8% |
2011 | $1.85 | 6.3% |
2010 | $1.74 | 4.8% |
2009 | $1.66 | 7.1% |
2008 | $1.55 | 13.1% |
2007 | $1.37 | 7.0% |
2006 | $1.28 | 12.3% |
2005 | $1.14 | 7.5% |
2004 | $1.06 | 8.2% |
2003 | $0.98 | 6.5% |
2002 | $0.92 | 1.1% |
2001 | $0.91 | 3.4% |
2000 | $0.88 | 5.4% |
1999 | $0.84 | - |
平均 | $1.78 | 7.5% |
20年前と比べると、年間配当金は実に4倍にもなっています。 (0.84ドル→3.23ドル)
2018年の配当金は1期ごとに0.82ドルで、合計3.23ドルでした。
2019年は0.87ドルに増配になってますので、年間で3.48ドルになると予想できます。
【記録】連続増配は37年目
さて、エクソンモービルの銘柄自体も、連続増配37年目と大きな記録を持っています。
しかし、これだけのランクでも米国全体としては71位です。 米国株の連続増配の記録、壁が厚すぎますね。
いずれにせよ、1982年からずっと安定的に配当金が支払われている銘柄であり、これまでに一度も配当金がストップしたり、マイナスになったことはないという超・安定銘柄であるといえます。
【数値】2019年7月時点での株価と利回り
さて、この記事を書いている時点では、エクソンモービルの株価は76.48ドルで、配当利回りは4.6%です。
37年の歴史を持つ安定銘柄であるにもかかわらず、利回りもかなり高いですね。
過去5年間の株価を見て、市場平均ほど上昇していないというのが利回りの高い理由かと思われます。 (株価が低いほうが、利回りは高くなる。)
他の連続増配・安定株もこうしてここ5年ぐらいは株価が冴えないという状況が多いので、安定株はそういうものだと割り切って、長期的な増配と安定配当を見込んで購入するのが良いのかな、と思います。
ちなみにエクソンモービル、株価が70ドルまで下がると、利回りが5%を越えます。
【実績②】エクソンモービルの年間配当金の平均増配率
年間配当金と平均増配率をグラフ化してみるとこんな感じです。
20年間の平均増配率は7.5%です。
なかなかの数字ですが、売上が落ち込んだ2015〜2016年以降は増配率も2〜3%まで同様に落ち込んでます。
まあ、これは仕方がないのかなと。
兎にも角にも、連続増配・安定配当の記録をキープさえしてくれれば、投資家としてそれほど不満のある銘柄ではないはず。
- コカ・コーラ:8%
- AT&T:3.9%
- アルトリア・グループ:10.7%
- サザン・カンパニー:6.2%
- スリーエム:8.9%
- ジョンソンエンドジョンソン:10.4%
以上、エクソンモービルの配当金と増配率の推移でした。
2019年7月直近では、原油価格が上昇傾向にあるというので、2019年の売上がまた再び大きく下落する…ということは、なさそうにも思います。
ただ、原油価格に左右された売上が、エクソンモービルの株価と配当金にはあまり影響を与えないということがわかったので、あまり気にしなくても良いのかな。
というのが、正直な感想です。
以上、ご参考までに。
それでは!
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