株式投資で不労所得を手に入れることは可能なのでしょうか?
株式投資というと、やはり短期での売買がイメージされ、キャピタルゲイン(売買による利益)を目指す投資…という考え方が一般的です。
街中の書店に並んでいる株式投資の書籍のほとんども、こうしたキャピタルゲイン狙いの売買テクニックを語ったものがほとんどですしね…。
しかしながら、株式投資で不労所得をゲットすることも、可能です。
そのためには「恩株」という考え方について、知っておく必要があります。
この恩株とはなんなのでしょう? 言葉について、ちょっとまとめてみたいと思います。
目次
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恩株とは?
恩株とは株式の購入代金を回収して、ゼロコストで手に入れた株式のことをいいます。
たとえば購入した株式が値上がりしたので、購入代金を回収するために株式の一部を売却します。 すると、手元には残りの株式が残りますよね。
この手元に残った株式が、恩株です。
株式投資は購入代金を回収する必要がある
つまりどういうことでしょう?
まず株式を購入するのには、当然ながら購入資金が必要ですよね。 株式によって利益を得るためには、最終的にこの購入金額よりも多くの利益を出す必要があります。
株式で購入金額を回収する方法は下記の2つ。
- 1.株価が値上がりしたら売却して、購入代金を回収する (キャピタルゲイン)
- 2.配当金を受け取って、トータルで購入代金を回収する (インカムゲイン)
株式で不労所得を手に入れようとした場合は、当然2の方法を取ることになります。
しかし、株式の平均株式の利回りは1.8%程度(日経平均225社の平均値)です。
1.8%の利回りで購入代金を回収しようとすると、なんと55年もかかります。 55年ではじめて購入代金を回収して、その後ようやく利益として、不労所得となるわけですね。
そもそも55年間その会社が存続しているかもわからないし、55年間ずっと配当金が安定して支払われるかどうかもわかりません。 自分が55年後生きてるかどうかすら、わからないですしね。(笑)
そうなると、2の方法だけで不労所得で悠々自適の生活を送ろうとするのは、正直無理があるのでは? という感じです。
株価上昇で購入代金を回収する!
しかし、株式は株価の変動があります。
株価が上昇したらその株式を売却することで利益を得るのが1の方法ですが、何も全部の株式を売却しなくても良いわけです。 一部を手元に残しておいて、その残りの株式で、毎年配当金を受け取るという方法もあります。
上でも書いた通り、この残りの株式が恩株です。
配当金だけで購入代金を回収しようとすると55年間かかったはずが、株価が上昇・一部売却したことで購入代金が一気に回収でき、あとは不労所得として配当金が手に入るようになるという仕組みですね。
つまり、株式で不労所得を手に入れるにはどちらか片方だけじゃダメで、1と2の合わせ技で恩株を手に入れていく必要があるということです。
そうなると、やはり株式を購入するにあたって、今後株価の上昇の可能性がある株式を選ぶ必要が、やはりあります。
恩株で株主優待を貰い続けることも可能!
もちろん、株主が受け取ることができる株主優待も、恩株で貰い続けることが可能です。
株主優待が生活にも利用できるものであれば、それを利用して生活の足しにすることで、間接的に不労所得にもなり得ます。
株式は所有している株数によって優待が受け取れるかどうか、また優待の内容も異なってくるので、株主優待も含めて狙う場合は、恩株として残す数量も考えて調整する必要がありますね。
恩株のつくりかた・例
恩株のつくりかたはシンプルで、「株価が上がったら一部を売って残りを保有する」だけです。
例として株価500円の株式を1,000株購入した場合で考えてみましょう。 (ここでの計算は、税金や手数料は除外して考えます。)
この場合、購入価格は500,000円です。
株価 | ¥500 |
数量 | 1,000 |
購入価格 | ¥500,000 |
株価が上昇したので一部を売却
その後、この株式は株価が上昇し、800円になりました。
この時点での資産価値は800,000円です。
株価 | ¥800 |
数量 | 1,000 |
現在の資産価値 | ¥800,000 (+300,000) |
ここで恩株をつくるために、一部を売却することにします。 まず、購入価格である500,000円を回収します。
株価800円の場合、1,000株のうち625株を売却することで500,000円が回収できました。
これで残りは375株です。
売却する数量 | 625 |
売却価格 | ¥500,000 |
残った株式の数量 (恩株) | 375 |
この375株を得るためのコストだった500,000円は既に回収済みなので、最終的に恩株375株をノーコストで手に入れた…ということになります。
この恩株は配当が続く限り、将来に渡って375株分の配当金を貰うことができるようになる権利となります。 不労所得になるというわけですね。
この恩株でいくらぐらいの不労所得になるのか
さて、この恩株で実際いくらほど貰えるのだろう?
ここでは仮に毎年、配当金を年30円分配している株式として計算してみます。
配当金は1株あたりの金額なので、恩株375株で年11,250円の配当金が貰える計算になります。 月割にすると937.5円ですね。
1株あたりの配当金 | ¥30 |
375株の 年間配当金額 | ¥11,250 |
月割 | ¥937.5 |
投資金額は既に回収済みなので、まさしくノーコストで毎月1,000円ほど貰えるということになります。
こうした恩株を積み重ねていけば、当然毎月の不労所得金額は大きくなっていきます。 いずれはまとまった不労所得として、生活資金にすることも可能そうですね!
まとめ
- 恩株は購入代金を回収した残りの株式のこと
- 株式の配当金だけで購入代金を回収するのは難しい
- 株価上昇時に売却して購入代金を回収すれば、残り株式はゼロコストで手に入る
- 残り株式で毎年の配当金を不労所得として受け取る
以上、恩株の考え方についてでした。
「安定的に配当される株式」が「今後株価上昇の可能性が大きい」と判断したら、この方法式を使って不労所得を手に入れることができそうですね。
この両者の条件が満たされているものが、恩株を手に入れる条件と言えそうです。
良くも悪くも株価というものは日々変動するものなので、その変動をも利用して株式を不労所得に変えていく、という考え方をする必要があります。 この部分は投資信託や不動産投資での不労所得とは、また一味ちがった考え方だと言えそうです。
以上、ご参考までに! それでは!