2018年から、再びNISA制度が変わります。
今まではひとつの「NISA」という制度の中でルールが変わりながら運用されてきたのだけれど、来年からは「つみたてNISA」と「NISA」という2つの制度に分かれることになりました。
…少々ややこしいですね。 ぼくもそう思います。
いったいこの2つの制度、なにがどう違うのか、詳しく比較してみましょう。
どちらの制度を使うのが自分にとってよいのか、しっかり確認してから、活用したいですね!
ということで、それではどうぞ。
※このページでは、区別するためにNISAを「現行NISA」と呼ぶことにします。
※また、NISA制度は施行中のため、ルールが変わることがあります。 最新情報は別個、ご確認くださいね。
目次
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比較図
さて、つみたてNISAと現行NISAの違いをざっくり図にすると以下の通り。
つみたてNISA | 現行NISA | |
---|---|---|
非課税枠 | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年間 | 5年間 |
対象投資商品 | 投資信託・ETF (低コストなどの基準あり) | 投資信託・ETF REIT・株式 |
利用できる年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 |
制度終了 | 2038年まで | 2023年まで |
もう少し、詳しく違いを見ていきましょう〜。
違いその1:非課税枠が変わる!
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。
- つみたてNISA: 年間40万円
- 現行NISA: 年間120万円
非課税枠とは、この金額の枠内で購入した投資信託などの投資商品で得られた利益には税金がかかりませんよ、というものです。
通常は利益に対して20.315%の税金がかかりますが、この非課税の枠内で積み立てたものであれば、税金が免除されるという仕組みですね。
なので、この40万円で購入した投資信託がものすごい値を上げて20万円儲かった場合、支払う税金は0円ですべて自分の手元に入ってくる、という形になります。
現行NISAの非課税枠は年間120万円でした。
そのため、毎年の非課税枠は縮小ということになります。 …ん? これだけみると現行NISAの方が良いような…。
という感じもしますが、投資期間で見てみた場合は、つみたてNISAの方が有利です。
違いその2:非課税期間が変わる!
つみたてNISAでは、非課税期間が20年間になります。
- つみたてNISA: 非課税期間20年
- 現行NISA: 非課税期間5年
どういうことかというと、NISAの制度で非課税枠で購入した商品が非課税とされる期間にはタイムリミットが設定されています。
現行NISAでは投資商品を購入して運用しても、非課税期間が5年間でした。
そう、投資として見た場合、5年間は少々短いのですね。
投資信託などは、20年〜40年スパンの長期の投資で本来メリットを発揮するものですから、現行NISAの非課税期間5年を延長してほしい、という声が多く寄せられてました。
そして、その声に対応したのがつみたてNISAです。
年間の非課税枠は40万円になりましたが、その毎年積み立てた投資商品の非課税期間は20年ですので、20年間じっくりと運用していくことが可能になりました。
違いその3:NISAの投資対象が違う!
もうひとつの違うポイントとして、対象となる投資商品が異なる点があります。
- つみたてNISA: 投資信託・ETF(低コストなどの基準あり)
- 現行NISA: 投資信託・ETF・REIT・株式
現行NISAでは投資信託やETFから株式など、対象商品の範囲が割りかし広く取られていました。
つみたてNISAでは、この対象範囲の条件が厳しくなり、投資信託とETFのみに限られるようになりました。
なぜこういうことになったのかというと、あくまで投資家に有利な積立・投資商品のみを対象とした制度にしたいという政府の方針によるところが大きいようです。
そのため、対象とできる投資信託にも売買手数料や信託報酬(運用にかかるランニングコスト)にも一定の基準が設けられるなど、つみたてNISAの対象となるファンドは基本的に「投資家にとって低コストで有利に運用できるもの」に限られるようになりました。
対象のファンドをしぼることで、初心者にもわかりやすく積立してもらう…というのが、つみたてNISAの目的のひとつなんですね。
また、毎月分配型などのファンドは、対象外とされるようになりました。
選べるのはどちらかひとつだけ!
さてこの2つの制度、覚えておかないといけない重要なポイントは「運用できるのは片方どちらかのみ」という点です。
つみたてNISAを選んだ場合は、現行NISAでは運用できません。 もちろん、その逆でも同じです。
NISA制度は1年区切り(1月1日〜12月31日)で動いていますので、2018年はどちらのNISA制度を使うのか…と、選択する必要があります。
どっちを選べばいい?
さて…選ぶといっても、結局どちらを選べばいいんでしょう?
上記でまとめた違いを含めて考えるに、それぞれの制度はそれぞれ、こんな人に向いている! と考えています。
- つみたてNISA: これから投資を始める人、初心者向け
- 現行NISA: 毎年の投資額がある程度大きい人、株式取引をする人向け
つみたてNISAはあくまで、長期の積立に特化したファンドのみを対象としていて、なおかつ毎月40万円・20年間と、ゆるく長く設定されています。
そのため、毎月1〜3万円ぐらいを積み立ててゆっくりと資産形成をしていきたい…というような、これから投資をはじめる人向けに作られた新しい制度だといえそうです。
対象ファンドも厳格な基準で絞られていますので、選択肢が少ない代わりに、難しい選択や比較検討をしなくても、とりあえずつみたてNISAを使って積立をするだけで大丈夫! というような安心感もあります。
対して現行NISA。
非課税枠120万円をフルに活用する場合、毎月10万円の積立が必要になることを考えると、毎月の積立金額・投資金額が大きい中級者向けの制度という位置づけになると思っています。
また、株式取引でNISA制度を使う場合、現行NISAを使う以外の選択肢がありません。
普段は積立で、余った非課税枠で株式にも投資したい…という人は、現行NISAを選びましょう。
現行NISAが今後、どのような扱いになっていくのかは不透明ですが、最終的にはつみたてNISAに一本化される? という意見もあります。
今のところ、現行NISAは2023年までは継続され、それ以降は終了する…という予定になっています。
しかし、NISA関係は現在進行形で議論を交えながらルールが決められていく最中なので、実際どうなるかはまだわかりません! …というのが、実情だったりします。
ともかくは、どちらかを選んで片方が損をすることになる…というような対応は取られないものと、思いますよ。 (影響が大きすぎるので。)
まとめ
ということで、ざっくりまとめます。
- つみたてNISAは少額・長期積立に向いている
- 現行NISAは月10万円以上の積立や、株式取引に向いている
- どちらか片方しか利用できない
上にも書いた通り、NISA制度は現在進行系でルールが決められているところなので、まだ不確定な部分が多々あります。
現行NISAも、2013年の制度スタートから細かな調整や変更、改善が続けられて今の形になっています。
大きな目的は変わらないだろうとしても、細かい部分は変更になる可能性大です。
常に、最新情報をチェックしてみてくださいね。
それでは!
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