投資信託を売却する際に気にかかるのが、利益にかかる税金です。
税率は20.315%と、決して低い数値ではありませんよね。
一体いくらぐらい税金がかかるのかは、決して無視はできないポイントであります。
しかし、こうした税金が実際いくらかかるのか、計算する方法がわかりづらいと思いませんか?
そう思って、調べてみました。
結果的に、概算の税額を求める計算式がわかりましたので、ご紹介しますね。
事前に書いておきますが、この計算は少々面倒くさいです。
また、後ほど書きますが、計算結果と実際の税額は少々異なる場合があります。
それでも、事前にどれだけの税金がかかるのかをだいたい把握しておきたい! という方は、ぜひご参考までにどうぞ!
※この記事では、税金が免除となるNISAなどの制度については考慮しておりません。
目次
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この記事のポイント!
- 売却した投資信託のうち、利益の部分にだけ課税される
- 売却した金額そのものに課税されるわけではない!
- 「売却口数」「取得単価」「現在の単価」がわかれば、税額が試算できる
- 計算は思ったよりも面倒くさいので要注意
基本:税金は利益にかかる
投資信託にかかる税金について、まずはひととおり触れておきますね。
投資信託の利益にかかる税率は20.315%です。
これらは、投資信託の売却時の利益にかかる税金です。
そのため、売却をしないで保有し続けていれば、税金はかかりません。
また、売却時に利益がない(マイナス)という場合も、税金はかかりません。
注意!:売却して得られるお金にそのまま税金がかかるというわけではない!
そして、これも基本と言ってしまえば基本ではあるのですが、一応。
売却して得られる金額そのものに税金がかかるというわけではありません。
例えば50万円分を売却した場合に、この50万円の20.315%に税金がまるまるかかるということは無い、ということですね。
あくまで、運用利益に対して税金がかかることになります。
少々勘違いしそうになりますが、この点はおさえておきましょう!
問題は、この50万円のうち、どこまでが元本でどこまでが利益になるのか。
売却した口数のうち、いくらかは元本と利益に分かれています。
税金としてかかるのはこのうちの利益部分なので、これを計算しないことには課税対象もわかりませんし、税額もわかりません。
計算式
ということで、かかる税額を求める計算式がこちらです。
もう少しわかりやすく解説すると…
上記の計算式を分解すると、こうなります。
- 課税対象 = (売却口数 × 現在の単価) - (売却口数 × 取得単価)
- 徴収税額 = 課税対象 × 20.315%
もう少しわかりやすく解説していきますね。
まず、これらの計算をするためには下記の数値を求める必要があります。
- 売却する口数
- 取得単価 (1口あたり)
- 現在の単価 (1口あたり)
1:売却する口数を求める
「売却する口数」を確認したい場合は、実際に売却の確認画面で売却金額を入力してみましょう。
自動的に計算され、売却前の確認画面にて「概算売却口数」というようなかたちで表示されるはずなので、これで売却する口数がわかります。
(こちらはSBI証券での売却確認画面です。)
2:取得単価と現在の単価
同様に、取得単価や現在の単価などは、投資信託の管理画面などからチェック可能です。
画面上に表示されている単価は1万口あたりの単価なので、これを単純に1万で割ってあげる必要があります。
上記の画像の数値で計算してみると、このような結果になりますね。
1万口あたり | 1口あたり | |
---|---|---|
取得単価 | 17,030 | 1.7030 |
現在の単価 | 20,017 | 2.0017 |
3:課税対象を計算する
これら3つの数値が集まったら、売却の利益、つまり課税対象が下記の計算式で計算できます。
先ほどの数字で、25万口売却した場合で計算してみるとこのような感じになります。
課税対象となる利益は+74,675円です。
売却口数 | 250,000 |
1口あたりの現在の単価 | 2.0017 |
1口あたりの取得単価 | 1.7030 |
(売却口数 × 現在の単価) | ¥500,425 |
(売却口数 × 取得単価) | ¥425,750 |
課税対象 (売却口数 × 現在の単価) - (売却口数 × 取得単価) | ¥74,675 |
4:税額を計算する
課税対象となる金額がわかれば、あとはカンタン。
その金額に、20.315%の税率を掛けてやるだけですね。
ということで、最終的な課税額は15,170円という計算になりました。
課税対象 | ¥74,675 |
税率 | 20.315% |
課税額 | ¥15,170 |
投資信託の場合、売却までにタイムラグがあります。
その間も基準価額が毎日変動するため、試算した数値と実際の税額とで、数十円〜百円ほどの誤差がある場合があります。
とはいえ、だいたいの税額はこの計算でつかめますので、あくまで「試算」という形で計算してみてもらえれば、と思います!!
まとめ
- 売却した投資信託のうち、利益の部分にだけ課税される
- 売却した金額そのものに課税されるわけではない!
- 「売却口数」「取得単価」「現在の単価」がわかれば、税額が試算できる
- 計算は思ったよりも面倒くさいので要注意
ということで、計算方法について、まとめました。
まあ、正直なところ、計算面倒くさいですよね!
まさしく参考程度に、どれぐらいの税額になるのかを計算するためにこの式を用いてもらえれば、という感じですね。
投資信託を持っている口座の種類が「特別口座」であれば、税金の計算等が不要です。
これらの損益計算を裏で自動的に行なってくれているということになるのですね。
以上、ご参考までに!
それでは!
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