投資信託の信託報酬は低いほうが良い。
…と、口を酸っぱくするぐらい言ってる気がします。
聞く側も耳にタコができるぐらい、聞かされているのではないかと思いますが…。
でも、信託報酬ってパーセントで表示されているので、実際いくらかかっていていくら支払っているのかがわかりづらい仕組みになっています。
「毎月これだけ信託報酬を徴収しました」という通知が来るわけでも、ないですからね…。
今回は、そのコストがどれだけかかっているのか、計算する方法についてなるべくわかりやすく! まとめました。
目次
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振り返って:信託報酬とは
まず簡単に信託報酬について振り返ってみましょう…。
投資信託のコストである信託報酬は、簡単にいえばランニングコストです。
投資信託を購入して保有し続けている間、ずっとかかるお金、維持費のことを指します。
この維持費を手数料として徴収することで、運用会社は利益を得ているということになります。
信託報酬は必ずかかるコスト
投資結果によるリターンは、どれぐらい貰えるかは誰にもわかりません。
調子がよければプラスになるし、悪ければマイナスになります。
しかし、信託報酬の場合、保有額に応じてコストが必ずかかります。
リターンを出している出してないにかかわらず必ずコストを徴収されるため、「リターンは不確定、でもコストは確実に取られる」というかたちになってるのですね。
ここに、「信託報酬は低いほうが良い。」という理由があります。
設定されているコストは100%必ずかかるので、不確定なリターンを少しでも大きくしたい場合、なるべくこの絶対的なコストを抑えることが重要だからです。
(逆にいえば、投資家ができる努力は、この信託報酬が低いファンドを選ぶということぐらいしかない、ということになるのだけど…。)
「実質コスト」を見る
しかし、実は信託報酬以外にも見えざるコストが投資家の資産から徴収されています。
これを「実質コスト」といいます。
実際のコストを計算したい場合、この実質コストの割合から、計算することになります。
ということで、実質コストの詳しい説明についてはこちらの記事をどうぞ〜。
eMaxisバランス8資産で計算してみる
さていよいよ、実際の計算。
今回はいつもどおり(?)「eMaxisバランス8資産均等型」から計算してみたいと思います。
運用報告書によると、eMaxisバランスの実質コストは0.608%です。
今回は、このファンドを100万円分保有していた場合、毎年いくらかかるか? 計算してみましょう。
(計算を単純化するため、積立や価格の変動などはここでは考慮しないことにします!)
eMaxis バランス (8資産均等型) | |
---|---|
資産評価額 | ¥1,000,000 |
実質コスト | 0.608% |
実質コストは保有している資産の評価額に年○%というかたちでかかってきますので、計算式としてはこうなります。
実際に計算してみた結果がこちら。
この金額が、信託報酬として徴収されています。
年額6,080円…と考えると、実は結構大きい額だということがわかりますよね。
もちろん、投資金額が増えればこの金額はさらに大きくなります…。
ちなみに月割・日割だとこんな感じ!
ちなみに信託報酬は年率で計算されていますが、本当は毎日、基準価額から差し引く形でコストを徴収されています。
試しにさっきの6,080円を月割・日割で計算してみるとこんな感じに。
項目 | コスト |
---|---|
年間コスト | 6,080円 |
月割 | 507円 |
日割 | 17円 |
毎日17円を、気づかないうちに支払っているということになるのですね。
試しにeMaxis Slimバランスに切り替えてみた場合…
ちなみに、eMaxis バランス8資産均等型は、低コスト版のeMaxis Slimバランス8資産均等型が登場しています。
EMaxis「バランス8資産」と「Slimバランス8資産」を比べてみた
こちらは実質コストはまだ不明ですが、信託報酬は今回計算した従来版の半分以下の0.2376%に設定されています。
なので、一旦仮で実質コストを0.25%ぐらいとして、同じく100万円保有していた場合のコストを計算してみるとこんな感じに。
項目 | コスト |
---|---|
資産評価額 | ¥1,000,000 |
実質コスト(仮) | 0.25% |
年間コスト | 2,500円 |
月割 | 208円 |
日割 | 7円 |
かなりコストが低くなったことがわかりますね!
従来版とこのSlim版、投資する対象はまったく同じです。
ファンドを変えるだけでこれだけ手数料も変わってくることを考えると、低コストのファンド選びがどれだけ重要なのか、よくわかる気がします。
逆に、実質コストが1%や2%を越えるファンドで運用していた場合どれだけのコストになるのか…試しに計算してみても…面白いかもですね…。
まとめ
- 信託報酬は必ずかかるランニングコスト
- 信託報酬+隠しコストの実質コストが実際にはかかっている
- 実際には日割り計算でコストを毎日徴収されている
- 資産評価額 × 実質コスト = 年間コスト
しつこいようですが、このコストは必ずかかるコストです。
投資家として投資信託でできる努力は、この必ずかかるコスト(固定費、といっていいかもしれない)をどう小さくしていくかというところにかかっていると言えますね!
もちろん、分散投資にかかる手間を委託しているわけなので、委託する以上はコストは必要不可欠でも、あるのですが。
ぜひ、自分の保有金額とファンドの実質コストから、毎年、毎月、そして毎日いくら支払っているのか、チェックしてみてくださいね!
それでは〜。