低コスト化が進む投資信託の世界。
全世界の株式に分散投資する全世界株式インデックスファンドでも、信託報酬0.23%台の、超低コストファンドが登場したようです。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」というファンドで、その名の通り楽天投信投資顧問という運用会社によって運用されるものです。
今回は、このファンドを詳しく見てみようと思います!
目次
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楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 投資信託・ETFのご案内 | 投資信託・ETFなら楽天投信投資顧問
項目 | 内容 |
---|---|
投資対象 | 株式 100% |
運営会社 | 楽天投信投資顧問 |
信託期間 | 無制限 |
設定年月 | 2017年9月 |
純資産額 | 1.73億円 |
このファンドは2017年9月末に運用開始されたばかりの新しいファンドです。
運用会社の楽天投信投資顧問は28本ほどを運用していますが、低コストにこだわったファンドだけではなく、一般的な毎月分配型ファンドも運用しているようです。
このファンドは「バンガード・トータル・ワールド・ストック」というETFを投資対象としています。
このETFの指標が「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」ですので、実質的にこのインデックスに分散投資するファンド、と考えてOKです。
投資対象がETFなので、かなりの低コストで運用できるようになっています。
下の方でも触れていますが、同じ全世界株式のインデックスファンドの中でもひときわ低いコストで運用されるファンドということで、ここ最近、投資家から注目を集めています。
「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」とは
さて、このファンドの指標である「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」について、詳しく見てみましょう。
ロンドンに拠点を置く金融データ企業・FTSE社が算出する、日本を含む世界の先進国、途上国を広くカバーしたかなり大規模な株式インデックスです。
2017年9月時点で47カ国、7,796銘柄を組み入れています。
この数字が示す通り、このインデックスに沿った形で運用すれば、世界各国の主要な株式にとてつもなく広く投資をすることができるようになります。
この中には大企業はもちろん、中小企業の小型株なども含まれているのが特徴です。
各国の投資比率
資産別の投資対象は、言うまでもなく株式100%です。
なので、この項では世界各国の投資比率を見てみることにしましょう。
国 | 銘柄数 | 割合 |
---|---|---|
米国 | 1,889 | 51.95% |
日本 | 1,309 | 8.14% |
イギリス | 326 | 6.06% |
カナダ | 214 | 3.25% |
フランス | 142 | 3.19% |
ドイツ | 150 | 3.12% |
スイス | 108 | 2.64% |
中国 | 457 | 2.60% |
オーストラリア | 247 | 2.31% |
韓国 | 397 | 1.70% |
こうして見てすぐわかるとおり、米国株式が52%と、半分以上を占めています。
その米国では1,889銘柄と、S&P500よりも多くの銘柄に投資していることもわかります。
そのため、割合としては米国一極集中に見えますが、かなり細かく分散されて投資できていると考えて良さそうです。
続いて日本、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ…というように、先進国諸国が続きます。
その他の15%に、組入対象の37カ国が含まれる形となっています。
参考:アジア諸国の投資比率
参考として、日中韓を含むアジア各国の投資の比率も、ここにまとめておきますね。
国 | 銘柄数 | 比率 |
---|---|---|
日本 | 1,309 | 8.14% |
中国 | 457 | 2.60% |
韓国 | 397 | 1.70% |
台湾 | 427 | 1.50% |
香港 | 194 | 1.22% |
インド | 285 | 1.14% |
シンガポール | 77 | 0.44% |
タイ | 109 | 0.39% |
マレーシア | 94 | 0.33% |
インドネシア | 68 | 0.24% |
フィリピン | 45 | 0.16% |
ASEANとしては、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンがここに含まれています。
ASEAN諸国すべてを合わせても、全体の1.56%程度と、割合としてはかなり低い部類になります。
しかし銘柄数としては393銘柄と、これだけでもかなりの銘柄に分散して投資できます。
「全世界株式」という名前だけあって、比率は少なくとも、新興国にも分散投資できているのは良いポイントです。
詳細はファクトシートをどうぞ
その他の国の詳細な銘柄数や投資比率などもチェックしたければ、FTSE社の下記ページよりどうぞ。
ページ中段あたりの「Factsheet」→「Global All Cap」から、詳細PDFの最新版が閲覧できますよ。
FTSE Global Equity Index Series (GEIS)
手数料
さて、肝心の手数料についても確認していきましょう。
手数料 | 料率 |
---|---|
購入手数料 | 0% |
信託報酬 (税込) | 0.2396% |
実質コスト | 不明 (運用報告書がまだのため) |
信託財産留保額 | 0% |
購入手数料と、売却時のコストである信託財産留保額は0%です。
一番重要となる、ランニングコストの信託報酬は年0.2396%(税込)となっています。
これは、100万円保有していると2,396円かかる…というぐらいのコストです。
信託報酬の計算方法などについては、詳しくはこちらの記事をどうぞ。
信託報酬って、実際いくらかかっているの?わかりやすく説明・計算します
その他の全世界株式ファンドと信託報酬を比べてみる
全世界株式で0.23%という水準は、今までのファンドの中でもズバ抜けて低い水準です。
- 楽天・全世界株式: 0.2396%
- eMaxis全世界株式: 0.648%
- SSGA全世界株式: 0.5184%
また、信託財産留保額も残り2ファンドは少々かかりますが、楽天・全世界株式は0%に設定されています。
それらの点から見ても、現時点でもっともコストが低い全世界株式インデックスファンドだと、断言してしまってもよさそうです。
バランスファンドとの違いは?
同じく「世界各国に分散投資!」という位置付けのバランスファンドと大きく異なるのは、「その他資産の有無」と「日本の投資比率」です。
例えばeMaxisの8資産均等型を例に出すと、株式以外に債券やREITなどが含まれるし、日本の割合が37.5%と、世界に分散と言うには少々比率が高すぎるように思います。
全世界株式の場合、世界に分散はしているものの株式100%なので、全世界的な全面株安の局面になると、大きく価値を下げる可能性があります。
そのため、債券を含めているバランスファンドと比べるとハイリスク・ハイリターンだと言えます。
また、下の一覧にも書いていますが日本の投資比率が全体の8%と、それほど極端に高くないという部分も、バランスファンドとの違いといえますね。
販売会社
このファンドが購入・積立できる販売会社は、2017年10月現在、下記のとおりです。
楽天という名前を冠したファンドですが、楽天証券でのみの販売ということにはならないようです。
とりあえず、このブログでもよく紹介している大手ネット証券3社が販売するようなので、比較的購入するのも簡単そうですね!
まとめ
- 47カ国・7,796銘柄に分散投資する株式インデックスファンド
- 米国が50%以上を占めるが、米国内でも細かく分散投資されている
- 日本の割合は8%ほど
- 信託報酬は0.2396%と、全世界株式インデックスファンドで最小水準
- バランスファンドと比べるとハイリスク・ハイリターン
これだけ大規模に世界各国の銘柄に分散投資できて、この低コスト。
かなり面白そうなファンドだと思います。
上でも書いた通り投資対象がETFですが、投資信託として購入できますので、毎月積立などに使うことができるのもメリットのひとつですね。
(ETFでは、毎月積立ができません。)
今後のポートフォリオの方針次第では、このファンドを積立対象として考えてもよいかな、ぐらいのレベルで考えています。
とりあえず、要チェックですね!
以上、ご参考までにどうぞ!
それでは!
超低コストのファンドについて、他にも色々書いています。
- EMaxis「バランス8資産」と「Slimバランス8資産」を比べてみた
- 超低コストの「eMaxis Slim 新興国株式インデックス」を見てみる
- 「iFree 8資産バランス」を見てみる
- コスト最安の国内株式インデックスファンドはどれだ!? 最新4ファンドを徹底比較してみる(2016年9月版)