先日、東南アジアノマドツアーから帰ってきました。
どんな国でも必要になるのはやっぱり金です。 金がなければ、世界のどの国でも何もできません。
そういうわけで海外でどのように現地通貨を調達するのかは海外旅行の時の課題になるわけですが、世間一般的には「クレジットカードのキャッシングが一番レートが良い」とされているようです。
せっかくなので、今回のツアーでは現金両替とキャッシングの両方を試してみました。 その結果わかったことは、必ずしもキャッシングの方がレートが良いわけではないということ。
目次
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ちょっと長くなるので、結論だけ知りたい人向けにまとめると、こういうことです。
- キャッシングよりも現地両替の方がレートが良い場合もある
- 現地の優良両替所なら手数料なし+好レートで交換できる場合がある
- しかしながら、悪徳両替所はどこにも存在する
- 安全を重視するならキャッシングでも充分
実際に海外でキャッシングしてみた
今回の東南アジアノマドツアーでは、フィリピンとインドネシアを訪れました。
今回は「フィリピン・マニラ市内の両替所」と「フィリピン・マニラ市内のコンビニATMでキャッシング」を比較して、実効レートを割り出してます。
当然レートは日によって違うので、ここで表示しているレートについては同日中(2016年3月7日時点)のものを使ってます。
現地市内で両替した場合
金額(レート) | |
---|---|
レート | 2.49 (1円につき0.401ペソ) |
日本円 (支払い) | ¥10,000 |
ペソ (受取) | 4,010ペソ |
手数料 | なし |
実効レート | 2.49 |
市内の両替所はエリアによっては乱立していて、レートに差があります。 その中でレートが一番よく、かつ手数料を取らない優良なチェーン店系の両替所を歩きまわって選びました。
海外キャッシングした場合
金額(レート) | |
---|---|
レート | 2.48 (1円につき0.4021ペソ) |
日本円 (支払い) | ¥10,000 |
ペソ (受取) | 4,021ペソ |
キャッシング手数料 | ¥216 |
ATM手数料 | ¥497 |
手数料を ペソ換算した場合 | 287ペソ |
ペソ (最終受取) | 3,734ペソ |
実効レート | 2.68 |
キャッシングしてみたのはマカティ市内にあるファミリーマート内のATM。 至って一般的な、怪しくないATMだと思います。
キャッシングによる手数料…つまり金利と、現地ATMでキャッシングした場合のATM手数料(200ペソ)が差し引かれてます。 (ATM手数料で500円相当って、けっこうお高いな…。)
この手数料を差し引いた最終の手取りのペソの金額と現地しないで両替した場合を見比べると、市内の両替所の方がレートが良かったという結果になりました。
ちなみにATM手数料をゼロにした場合でも、今回は現金両替の方がギリギリレートが良かったです。
参考:現地空港で両替した場合
参考として、現地空港(今回はフィリピン・セブ空港)で両替した場合のレートもまとめておきます。
金額(レート) | |
---|---|
レート | 2.77 (1円につき0.36ペソ) |
日本円 (支払い) | ¥10,000 |
ペソ (受取) | 3,600ペソ |
手数料 | なし |
実効レート | 2.77 |
手数料という名目ではお金を取られないものの、圧倒的にレートが悪いです。
空港の中に店舗を構えるコストがやはり高いのでしょうね。 一般的にも言われるように、空港での両替は最小限に留める方が無難です。
ちなみに、日本国内で東南アジアの通貨を交換するのは更にレートが悪いです。
カウンターの担当者が日本語を喋れるから安心! というメリットのためだけに羽田空港や成田空港で交換してもっていくのは、真面目にやめた方がよいです。 ホントに。
「キャッシングの方が得」という論調の理由
さて、一般的に海外で現地通貨を手に入れるには「キャッシングが得」とされてます。
実際の所、現地両替とキャッシングを比較して「キャッシングの方が得」と結論付けているサイトの殆どは「現地両替所で高い手数料が取られる」ということを前提に書いてます。
両替所での高い手数料とキャッシングの手数料を天秤にかけたうえで、キャッシングの方がお得だという判断をしているわけですね。 確かに、これは間違いではない。
言い換えるとキャッシングの手数料以下の両替所さえあれば、現地両替でもキャッシングより良いレートでの交換も可能というわけです。
僕は基本的に借金なるべく避けたい派なので、キャッシングにもともと抵抗があるのだけど、それを度外視しても現地両替の方が得な場合は存在するということはしっかり声を大にして(?)書いておきたいと思います!
現地で優良両替所を探そう
そういうわけで、現地でレートのよい両替所を探すのが一番なわけですが、実際はなかなか難しいものです。
というのも、日本のようにすべてがすべて善良な人ばかりではないではないということ。 両替時にピンはねしてくるような、怪しい両替所も存在します。
しかしながらすべての両替所が危険というわけでもないのです。 優良な両替所をしっかり選択すればボラれる確率はかなり少なくなります。
看板というブランドを立ててやっているところなら、そういうケチが付くことをやる人間も少ないですからね。 (ゼロではない。)
優良両替所の見分け方
というわけで、優良な両替所を見分ける方法をさらっとまとめてみます。
- 警備員がいる両替所
- 大手チェーン系列っぽい両替所
- 電子ディスプレイでレートが表示されている両替所
- ちゃんとブースが組まれている両替所
- 身分証をしっかり要求してくる両替所
- (空港以外に設置されている両替所)
両替所については、設備にお金がかかっていそうな所が良いと考えてOKです。 その分のコストはレートに跳ね返っている場合もありますが。
安全を取るならキャッシングもアリ
ということで、必ずしもキャッシングが得というわけではないことはわかってもらえたかと思いますが、この優良両替所で、しかも良いレートの店を探すのはけっこう大変です。 当然町中を歩きまわらないといけないし、どれが優良なのかを見極めないといけないですからね。
僕も偉そうなことを言えるほど海外慣れしてるわけではないけれど、海外慣れしていない日本人がこの辺の匙加減を見極めるのは思った以上に難しいと思います。
いちいち国ごとに違う事情を予め調べあげて、その上で一番安い道を探る! というのが面倒くさいのであれば、いくらかかるか明確であるキャッシングに絞ってしまうというのも、選択肢ではあります。
ちなみに僕はインドネシア・バリ島にて、ちょっと良いレートを表示している裏道の両替所に入ってみたら、現地通貨受取直前に高い手数料を要求されました。 もちろんキャンセルして店を出てきたけれども、そういうボッタクリの可能性は確かに存在しています。
そうした交渉事が面倒に感じたり、リスクを犯したくない…ということであれば、海外キャッシングを選択するという選択肢も、充分にアリだといえます。
カードの種類によってはポイント制度もあるので、その理由も加えてキャッシングを選ぶのもアリですもんね。
まとめ
ということで改めて、まとめると下記のような結論になりました。
- キャッシングよりも現地両替の方がレートが良い場合もある
- 現地の優良両替所は手数料なし+好レートで交換してくれる
- しかしながら、悪徳両替所はどこにも存在する
- 安全を重視するならキャッシングでも充分
余談ですけど、海外で「どの方法が一番安いか」「そして安全か」というのを考えるのは、よいマネーリテラシーの訓練になりますね。 日本国内にいるだけだと養えないようなお金をどう守るかの感覚を研ぎ澄ますのに、海外が、特に東南アジアが向いている気がします。
なんたって、現地の商売人は日本人からいかにお金をボッタクるかを常に考えてますからね! もちろん、すべてがすべて悪い人じゃないけれど。
それでは!