はい、こんにちわ!

前回、FX投資で不労所得を得る方法と仕組みについて、まとめてみました。

FXで不労所得を稼ぐことは可能? スワップポイントについてまとめます

 

通貨間の金利差で生じるスワップポイントをもとに不労所得とする…というのがこの考え方ですが、FXでの不労所得は、かなりリスクの高い不労所得であるとも言えます。

一体、それはなぜなのか? 今回は、FXでの高金利通貨のデメリットについて、ご紹介していこうと思います!

 

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デメリットその1:高金利通貨は上下が激しい

スワップポイントでの不労所得を考えた場合、新興国通貨などの金利の高い通貨を、日本円で買うという選択肢が一般的です。

日本円の金利は0.1%程度、それに比べて新興国通貨、南アフリカランドやトルコリラは6〜8%台ですので、その分の金利差のスワップポイントを毎日受け取れるのが魅力です。

 

しかし、忘れてはいけないのが新興国通貨は価格の上下が激しい、ということ。

新興国通貨は、日本円や米ドル、ユーロのような主要通貨とは比べ物にならないほど、急激に価格が変動します。

そのため、いざ通貨を保有したはいいが、その後大きな下落が発生し、日々のスワップポイントを大きく越える元本の目減り、評価損益をかかえる可能性が常にあります。

 

新興国通貨の変動が激しい理由

新興国通貨の価格変動が激しい理由は、主に以下の通りです。

  • 流通量が少ない
  • 政治的なリスクが大きい
  • 経済的なリスクが大きい

 

流通量の多い通貨と違い、新興国通貨は流通量が少ないため、何か問題が発生すると急激に値を下げる場合があります。

流通量が少ないということは、少ない取引量で大きく価格が変動するということ。

特に新興国は政治的にも安定していない場合も多く、また、経済的にも資源に頼った国が多いため、資源価格や輸出先の国の経済の影響も受けやすいと言われています。

例えばトルコはISなどのテロなどの地政学リスクもありますし、南アフリカなどは金・ダイヤモンド・プラチナなどの輸出国ですね。

基本的にその国のリスクが表面化したら、世界の投資家は資金を引き上げるので、その取引によって通貨が売られて、通貨安になるという流れです。

 

価格下落による損益とスワップポイントによる損益

2016年頭のトルコリラ40円の時に10万通貨を購入して、その後2年間運用してきた場合の損益をだいたいで試算してみたところ、こんな結果に。

  • 価格下落による損益:     -1,000,000円
  • スワップポイントによる損益: +626,400円

最終的な損益は-373,600円ほど…というマイナスの結果に。

それだけ、通貨の下落による元本の目減りのほうが、スワップポイントよりも大きい影響があるということがわかります。

もちろん持ち続ければスワップポイントは更に貯まっていくので、下落による損を取り戻すことも可能かもしれません。

しかし、さらに下落する可能性もなきにしもあらず。

 

そうなると、スワップポイントで儲けつつ、元本割れを起こさないためには、今後上昇する(もしくは安定する)と思われるタイミングで通貨を買う必要があります。

特に変動が激しい高金利通貨では、このタイミングが重要です。

このタイミングを正確に見計らうことは、プロのトレーダーにもできないでしょう…。

FXのスワップポイント狙いで通貨を買うということの難しさが、ここにあると言えそうです。

☑ 通貨が下落すると元本割れして、損益がマイナスになる

デメリットその2:高金利通貨は長期的に見て下落する

追い打ちのように高金利通貨に対するデメリットがこちらです。

「高金利通貨は、長期的に見て下落する」という法則があります。

長期保有によるスワップポイントを目当てとして高金利通貨を購入するのに、長期的に見て下落する可能性が非常に高いため、元本割れする可能性も、非常に高いということになります。

 

こちらは、トルコリラと南アフリカランドの、対・円レートの2007〜2017年での10年チャートです。


(出典:楽天証券)

 

両方とも、10年間かけてずっと下がりっぱなしで、2008年以前の元の値段に戻っていません。

ところどころで多少値を戻していますが、またズルズルと値段を下げていく…。 そのような動きを、ここ10年繰り返しているのですね。

 

こうした高金利通貨に限らず、2008年のリーマンショックによる通貨下落は、大半の通貨でも起こりました。

しかしながら、高金利通貨は、そこから復活して上昇することはなく、低調なペースでゆるやかに下落を続けています。

これは、2007年以降にトルコリラと南アフリカランドを長期保有したら、ほぼ必ず元本が下落したということを示しています。

 

ちなみに、2017年現在は割と世界的に好景気だと言われている状況なので、リスクオン(リスクを取って、利回りの高い商品に投資)の傾向にあるといえます。

…が、その状況でも上昇することなく低調な状態のまま推移しているということは、好景気による上昇はほとんど期待できないということに。

もしこれでリーマンショック時のようなリスクオフ(リスクを回避して、安全な資産にお金を移す)傾向になった時に、一体どうなるのか…。

絶対だとは言えませんが、更に急激に下がる可能性は、大いにあるといえるでしょう。

☑ 高金利通貨は、長期的に下落する。

 

先進国の高金利通貨は長期的に値を戻している

参考までに、先進国の高金利通貨のチャートも見てみました。

こちらはオーストラリア・円レートの10年チャートですが、2008年に下落した通貨は変化が大きいながらも徐々に元に戻り、2013年には2008年前と同じ、ドル100円台に上昇しています。

…とはいえ、ずっとオーストラリアが同じ金利を維持していたわけではなく、2008年以降にゆるやかに金利を下げていったという側面もあります。

この10年間で7.25%→1.5%まで、金利は下がりました。

他の先進国の通貨と比べれば高金利とはいえ、トルコリラや南アフリカランドと比べれば低金利です。 オーストラリアドルは、徐々に中〜低金利の通貨に移行していった…とも考えられますね。


(出典:外為どっとコム)

デメリットその3:スワップポイントは保証されているものではない

もうひとつ、さらにデメリットが。

スワップポイントは固定ではありません。 通貨が下落すると、同様にスワップポイントも下落します。

 

先ほどの例でトルコリラ2年間のスワップポイントを仮に「+626,400円」としましたが、スワップポイントの変動によって毎日・毎月の不労所得も大きく変動します。

これは、不労所得という安定収入を得ようと考えるうえではかなりのリスクになりますよね。

場合によっては価格下落の損失+スワップポイントマイナスというダブルパンチになる可能性まで。

毎月安定した収入が入ってくるのが不労所得なのに、これでは安心して不労所得生活を満喫…なんて、できっこないですよね…!

☑ スワップポイント不労所得は不安定

 

また、通貨間の金利差次第では、スワップポイントがプラスからマイナスに移行することもありえます。

現実的にはほぼありえませんが、もし仮に日本円の金利が急上昇して新興国通貨の金利を超えた場合、逆にスワップポイントを支払う必要もでてきます。

ちなみに、ユーロ・円は2008年頃はユーロの方が金利が高かったですが、2014年頃からは逆転して日本円の方が金利が高い状態になり、スワップポイントが逆転したという経緯があります。

まとめ

  • デメリットその1:高金利通貨は上下が激しい
  • デメリットその2:高金利通貨は長期的に見て下落する
  • デメリットその3:スワップポイントは保証されているものではない
  • 単純に保有し続けると、元本割れして損する可能性が高い

 

高金利通貨でのスワップポイント不労所得…。

一度は面白そうだと考えてみるものの、非常にリスクが高いものだということがわかりました。

まあ、楽して儲かる方法はなかなか無いってことですね…。

なるべく元本割れを避けてスワップポイントを貰うためには、通貨が安定している局面で保有して、通貨が落ちる前に手放す…ということを繰り返す必要がありそうです。

でもそれって、不労所得としてはちょっと矛盾しているような…!?

 

新興国の投資のリスクは、この長期的な通貨下落リスクが大きなベクトルを占めているように思います。

株式でも不動産でも、その国の通貨が下落すれば世界的な価値は目減りするわけですから。

国単位では大きな経済成長の余地があったとしても、通貨が下落すればその損益で相殺されてしまう可能性があるということ、覚えておいたほうが良さそうです。

 

以上、ご参考までに!

それでは!

 

参考:長期的に伸びる株式市場での不労所得の方が現実的?

不労所得を得ようとした場合、株式の配当から不労所得を得るという方法もあります。

これも同様に、株価の下落で元本割れを起こさないということが前提ですが、長期的に伸び続ける市場に投資・長期保有することで、現実的に安定した不労所得を手に入れることができそうです。

例えば米国株式などは、過去100年の歴史でずっと右肩上がりで上昇を続けています。

こうした市場であれば、配当を不労所得として得て、更に値上がり益も手に入れることができます。

米ドルレートの為替変動のリスクもありますが、米ドルは下落しっぱなしということはありませんので、新興国通貨のようなリスクも低いといえます。

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