先日、eMaxisシリーズの先進国株式インデックスを紹介しました。
eMaxisシリーズには「全世界株式インデックス」というファンドもあり、こちらは先進国株式だけではなく全世界の株式市場に投資できるというファンドとなっています。
しかしながら、投資比率を見る限り、あまり先進国株式インデックスと違いがないようにも思います。
どう使いわけるのが良いのでしょう?
投資比率などをまとめてみましたので、ご参考までにどうぞ!
追記:もっと低コストの全世界株式インデックスファンドが登場しています
全世界株式インデックスについては、2017年9月末に登場した「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が、更に低コストで同じような投資比率を実現しています。
こちらもあわせてどうぞ。
超低コストで全世界に投資! 「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を見てみる
目次
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この記事のポイント!
- 先進国比率が90%を超えている
- アメリカ株式は全体の55%
- 先進国株式インデックスと大きな違いなし!
eMaxis 全世界株式インデックス
eMaxis 全世界株式インデックスの公式ページ、および詳細はこちらへどうぞ。
項目 | 内容 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式+新興国株式 |
運営会社 | 三菱UFJ国債投信 |
信託期間 | 無制限 |
設定年月 | 2010年7月 |
純資産額 | 53億円 |
資産額の傾向 | 上昇傾向 |
基準価額の傾向 | 「MSCI オール・カントリー・ ワールド・インデックス(日本除く)」に連動 (日本を除く世界的な株式指数) |
2015年10月時点での基準価額は21,086円です。
このファンドも8月頃の中国株安の影響で直近、少しばかり値を下げてますが、他のファンドと同様の動きです。
投資対象
全世界株式ということなので、気になるのがどういった比率で購入されているかということ。
詳しくみてみましょう。
カテゴリ比率
下記、2015年8月末時点のレポートに掲載されている国別内訳です。
国 | 比率 |
---|---|
先進国株式 | 89.54% |
新興国株式 | 10.35% |
なんと、実質はほぼ先進国株式が90%を占めてます。
新興国株式にも確かに投資されているものの、比率としてはたった10%程度。
こうなると、全世界株式とはいいつつもバランス型というわけではなく、ほぼ先進国株式がメインであると言える格好です。
国別比率
国別の投資比率はこのような感じ。
やはり、アメリカが圧倒的比率の55%ですね。
国 | 比率 |
---|---|
アメリカ | 55.2% |
イギリス | 7.3% |
フランス | 3.5% |
スイス | 3.5% |
ドイツ | 3.2% |
(先進国先物) | 2.7% |
(その他先進国) | 13.8% |
(新興国) | 10.3% |
新興国株式の内訳としては、韓国、中国、台湾、インド、南アフリカなどが含まれています。
分配タイミング
他のeMaxisシリーズと同様「分配金再投資コース」になります。
分配タイミングも同様に年1回で、毎年1月末予定です。
2010年の設定以来で5回の分配タイミングがありましたが、いずれも分配金は0円となっており、しっかり再投資されてします。
手数料
さて、手数料はどうでしょう?
手数料 | 料率 |
---|---|
購入手数料 | 0% |
信託報酬 | 0.648% |
信託財産留保額 | 0.05% |
eMaxisシリーズの購入手数料は0%です。
ランニングコストである信託報酬は0.648%/年(税込)という感じ。
売却時のコストとなる信託財産留保額が0.05%です。
「eMaxis 先進国株式」との違い
全世界株式とはいえ、投資比率のメインが先進国、特に米国ドルとなることを考えると、同じく米国ドルをメインに投資している「eMaxis 先進国株式インデックス」とどのような違いがあるのかが気になります。
投資比率を比較
ということで、両者を比較してみた図がこちら。
ファンド | 新興国株式 | 先進国株式 | (アメリカの比率) |
---|---|---|---|
先進国株式 インデックス | 0% | 100% | 62.6% |
全世界株式 インデックス | 10.35% | 89.54% | 55.27% |
どちらも、アメリカが大多数を占めています。
両者ともほぼ先進国株式への投資という感じで、先進国株式はほぼおまけ程度にしか含まれていない、という状態。
実体経済の大きさを考えるとやはりアメリカが大多数を占めてしまうのは仕方ないことだとはいえ、ファンドごとの違いがほぼ見られませんね。
アメリカ以外の投資対象も、やはりほぼ一緒です。
手数料を比較
ファンド | 買付手数料 | 信託報酬 | 財産留保額 |
---|---|---|---|
先進国株式 インデックス | 0% | 0.648% | 0% |
全世界株式 インデックス | 0% | 0.648% | 0.05% |
コストについては、あまり両者で大きな違いはありませんでした。
信託報酬が同じ料率なので、トータルのリターンにはそれほど影響はしてこないはず。
全世界株式の方にだけ信託財産留保額がかかるようで、これは新興国株式の部分にかかっていると見ればいいのだろうか。
先進国株式インデックスと、あまり違いがない!?
こうして比べてみると正直にいえば「気休め程度に先進国株式が含まれているよ」という程度の違いしか見えませんね。
「全世界株式」という名前だともうちょっと分散されているイメージを持ったのだけど、あくまで実体経済の規模に合わせて「新興国株式も含めているよ」という程度の違いしかないみたいです。
新興国株式割合が足りない! と感じたら
先進国株式と新興国株式割合がほぼ9:1なので、もうちょっと冒険して新興国株式比率を増やしてみたい…という場合には不向きです。
その場合は自分の条件に見合うファンドを探すよりも、自分で「先進国株式インデックス」+「新興国株式インデックス」で組み合わせて、自分の気に入る比率に合わせる方が現実的ですね。
たとえば先進国と新興国を6:4ぐらいにしてみたいのであれば、それに相当する金額をeMaxisの2ファンドで分割して積立購入すれば良いわけだから。
まとめ
- 先進国比率が90%を超えている
- アメリカ株式は全体の55%
- 先進国株式インデックスと大きな違いなし!
全世界株式と先進国株式の違いはほとんどありません。
それだけ、米国の経済規模が大きすぎるというのが実情でもあるのですが…それにしても、先進国が90%を占めているとなると、はたして「全世界に分散投資」といえるかどうか…。
便利なことにeMaxisシリーズ、投資カテゴリごとに「○○インデックス」というように運用・販売しているので、自分でポートフォリオを組みやすいのは良いところです。
自分なりの分散投資をしたいなら、自分で購入比率を決めて積立購入していくのが一番面白いかもしれないですね。
以上、ご参考までに。
それでは!