インデックス投資信託の界隈で業界最低水準の手数料をうたうeMaxis Slimシリーズに、またしても新たなファンドが追加されることになりました。
「eMaxis Slim 新興国株式」はその名の通り、従来の「eMaxis 新興国株式インデックス」の低コストバージョンです。
インデックス系ファンドの中でも比較的手数料の高い部類だった新興国株式で、0.36%という最低水準の信託報酬になっています。
2017年7月末からの運用開始ということで、まだ実際の運用開始前ですが、少し詳しくチェックしてみましょう。
※2017年12月13日からの信託報酬引き下げに伴い、記事を更新しました!
eMaxisシリーズ
このブログでチェックしているeMaxisシリーズの投資信託です。 こちらもどうぞ。
目次
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この記事のポイント!
- 2017年7月から運用開始の新興国株式Slim版
- 投資対象は新興国株式が100%
- 投資対象に韓国が15%含まれている
- 手数料が0.2052%と、従来版の3分の1!
eMaxis Slim 新興国株式
項目 | 内容 |
---|---|
投資対象 | 新興国株式インデックスに連動して投資 |
運営会社 | 三菱UFJ国債投信 |
信託期間 | 無制限 |
設定年月 | 2017年7月 |
純資産額 | なし (2017年7月末設定開始のため) |
基準価額の傾向 (ベンチマーク) | MSCIエマージングマーケットインデックス |
従来のeMaxis新興国株式は2009年運用開始で、現在の資産総額は318億円ほどとなっています。
そして他のeMaxisファンドと同様に、一度も分配金を出すことなく、再投資による資産総額拡大を続けているファンドです。
もちろん、投資対象は100%新興国の株式が対象です。
原則、為替ヘッジなし。
Slimと従来版の違いは?
基本的に、Slimと従来版の違いはコストの違いのみで、Slimの方が低コストに設定されています。
それ以外の投資対象や運用方針、そして基準価額の動き方も基本的にはすべて一致しています。
そのため、Slim版の積み立て購入が可能な証券会社を使っているのであれば、迷うことなく新しいSlim版の方を選んで積立すればOKです!
投資対象
対象インデックスは「MSCI エマージングマーケットインデックス」です。
MSCI エマージングマーケットインデックスは新興国株式のインデックスファンドの指標として、広く利用されているものです。
国別投資比率
ということで、国別の投資比率はこのようになっています。 (従来版の2017年6月時点の投資比率です。)
国 | 比率 |
---|---|
韓国 | 15.69% |
ケイマン諸島 | 13.83% |
台湾 | 12.44% |
中国 | 9.74% |
インド | 8.85% |
ブラジル | 6.56% |
南アフリカ | 6.08% |
メキシコ | 3.66% |
香港 | 3.52% |
ロシア | 3.19% |
その他 | 16.44% |
16%程度の「その他」には、メキシコ、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、トルコなどが含まれています。 (詳細比率は不明。)
MSCIをインデックスにした新興国株式ファンドの特徴
備考ですが、MSCI エマージングマーケットインデックスを指標にしたファンドの場合、特徴として韓国の比率が大きいことが挙がります。
新興国株式のインデックスとしてもうひとつ有名な「FTSEエマージングインデックス」では、韓国が含まれていません。
この2つの指標の大きな違いがこの「韓国を新興国として見ているか否か」という部分にあるといえますね。
かたや15%、かたや0%なので、この違いは大きいです。
- MSCI:韓国を含んだ新興国に投資
- FTSE:韓国を含まない新興国に投資
手数料
さて、肝心の手数料はこのようになっています。
手数料 | 料率 |
---|---|
購入手数料 | 0% |
信託報酬 (税込) | 0.2052% |
実質コスト | 不明 (年間レポート発表前のため) |
信託財産留保額 | 0% |
2017年12月13日より、信託報酬が0.36612%→0.2052%に引き下げとなっています。
これは、ライバルの新興国株式インデックスファンドが更なる信託報酬の値下げを行ったことに対しての措置のようです。
業界最低水準の運用コストをめざす『eMaxis Slim』信託報酬率の引き下げを実施 (平成29年11月22日)
従来版とSlim版を比べると…
従来版とSlim版の信託報酬を比べてみると、こんな感じ。
- eMaxis 新興国株式: 0.648%
- eMaxis Slim 新興国株式: 0.2052%
信託報酬は、実に3分の1まで圧縮されています。
ここまで違うと、もはや投資対象は同じでも別物と考えてしまって、良い気がしますね。
Slim版を購入できる証券会社であれば、Slim版を買う。
これで間違いありません。
購入手数料は従来版と同じく0%です。
しかし売却時のコストである信託財産留保額は、0.3%→0%へと、こちらも従来版から引き下げられています。
超低コストの新興国株式インデックス
今回のSlim版新興国株式インデックスの登場によって、超・低コストの新興国株式ファンドの世界に新たに切り込んできた格好になりますね。
同じ0.36%水準の新興国株式インデックスファンドとしては、他には「iFree 新興国株式インデックス」と「Exe-i 新興国株式ファンド」の2つのみ、となっています。
実はそれぞれ指標としているインデックスが異なるため、投資国の比率が大きく異なっているのです。
近日中に、この2つを含めた、新興国株式ファンドの比較してみようと思います。
それでは!