マネーリテラシーに関する話題がドラえもんのエピソードにあったなんて。
ぼくはドラえもんは旧・アニメ派だったので、あまりコミック版を読んだことがなかったのだけど、驚きました。 コミック版ドラえもんに、お金の運用に関するエピソードが存在していたんですね。 ビックリ。
「フエール銀行」というエピソードなのですが、たった10ページの中に「複利効果」「定期預金のメリット・デメリット」「借金の恐ろしさ」「金利差ビジネス」が凝縮されてます。
子供の頃にこの話、読んでおきたかったな! 今見ても面白いエピソードなので、ご紹介しておきます。
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フエール銀行
このエピソードはてんとう虫コミックスのドラえもん・30巻に収録されてます。 Kindleでも読めるよ!
フエール銀行のエピソード以外にも「ジャイアンテレビにでる!」「ホンワカキャップ」「することレンズ」「昔はよかった」なども良エピソードですね。
フエール銀行に預けるとどうなるか
さてこのエピソード。 簡単にご紹介。
お年玉をもらったのび太は、言うまでもなく豪遊してしまい、残金たった10円になってしまう。 死ぬほど後悔(?)するのび太。 そこにドラえもんが出してきたのが「フエール銀行」というひみつ道具。
「1時間に1割の利子がつくんだよ。」
10日間で1割のトイチも真っ青の高金利です。 一体どこからこの金利が捻出されてくるのだろうかw
「10円が1時間後には11円になる。」
「なんだ、たったの1円。」
複利の効果をあなどるのび太。 更に説明するドラえもん。
「2時間で12円10銭」
「3時間で13円31銭」
「8時間で倍になり、1日で約100円」
「1週間あずけっぱなしだと、9000万円ぐらいになるんだよ。」
1週間で9000万円て!!! こんな設け話を持ってきたら、現代社会だと間違いなく投資詐欺ですが、そこは未来の道具、きっと合法なのでしょう。
1時間だとたかだか1円の利子ですが、時間をかければかけるほど元本が増えていくさまは、完全に複利効果の説明そのもの。
ってかこの道具、その未来の世界でも合法的に使えるんでしょうかね? そしたら、未来は大金持ちだらけなのでは? いや、もしかしたらスーパーインフレで9000万円が今でいう9円ぐらいだったりとか? というかそもそも、通貨単位は円のままなのだろうか?
疑問は尽きませんが、まああんまり深く考えても仕方ないか。
フエール銀行からお金を借りるとどうなるか
1週間で9000万円と聞いて大喜びでフエール銀行に10円を預けたのび太。
しかしたった1時間後に、5000円の欲しいプラモを見つけてしまい、複利効果で増えるのが待ちきれなくなってしまう。 (10円を5000円にするには、4日間待たないといけない。)
待ちきれないのび太は、ドラえもんの忠告を無視してフエール銀行から5000円を借りてしまうことに。
「お金をかしてくれるの?」
「よしたほうがいい。 利子は1時間に2割。 かりた金を返すまで、利子をとられてひどいめにあう。」
利子と元本を返さないでいると、所持している持ち物が1時間毎に消えていくという「取り立て」がはじまる。 はじめは靴下がなくなり、そしてズボンが消えて、どんどん持ち物が差し押さえられていくのび太。
最終的にどうなるか…は、実際にコミックを読んでみて確かめてみてくださいな。
銀行は金利差で儲ける
勘の良い人は気付いているかもしれませんが、預金者には1時間1割で利子を与え、借金の債務者からは1時間2割で利子を取り立ててます。
実はこれ、現実世界の銀行でも同じです。 預金者から0.001%という超低金利で預かったお金を、カードローンなどの金利3〜7%の高金利で貸し出していますが、この金利差で銀行は利益を上げているわけですね。
フエール銀行は漫画としてわかりやすく「1時間1割」という極端な時間と利子に設定されてますが、おそらくはこのフエール銀行も収入をこの金利差から得ているはずです。 強制的に持ち物を取り立てる未来のテクノロジーもあるので、貸倒れもないという合理的さw
22世紀の貸金業法はどうなってるんだよ! という感じですが、トイチも真っ青なこの金利設定が、合法になっているのかもしれません。 恐ろしいところだな未来は。
10ページという短いエピソードですが、現代にも通用する内容だと思います。 ちなみにこのコミックは1984年が初版なので…あっ、バブル期より前なんだ。
教育的にも名エピソードなので、漫画をプレゼントする体でお子さんや親戚の子供にこのドラえもん・30巻をプレゼントして、マネーリテラシーを鍛える素養にしてみてもいいのではないでしょうか。 いや、むずかしいか…?
今回改めてコミック版を読んで感心してしまったのが、ストーリーのテンポのよさ。 どのエピソードもだいたい10ページ前後ですが、すごくリズミカルに話が進んでいくし、起承転結がしっかりしてます。
藤子先生、やっぱ天才だなあ…。 などと感動したりしたのでした。 それでは〜。