ちょっと改めて、こんな本を読んでみたよ。
タイトルの通り、今更人に聞けない金融に関する基礎知識をまとめた書籍で、それほど分厚くもないしサラリと解説されているので経済に付いて改めて学んでみようという人にはオススメ。
で、この書に「なぜ新興国は金利が高いのか」「なぜ日本は超低金利なのか」についてのヒントと答えが記載されていたのでちょっとお勉強がてらにまとめてみたよ。
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お金を借りたい人が多ければ、金利は上がる
金利の設定ですが、これは基本的に市場の原則である「需要と供給」の話と一緒です。
金利の料率というものは、お金を借りたい人が多ければ高くなり、少なければ低くなります。
借金に関する需要が高いということは、金利を高く設定したとしてもみんな借りるということになるので、金利が高く設定されていくという需要と供給の原則にピッタリ当てはまるというわけです。
具体的な例でいうと、DVDのレンタルなど。 この場合、新作のレンタル料は旧作よりも高く設定されたするけども、これも需要と供給の原則に当てはまりますよね。 基本はこれと同じです。
新興国はみんなお金を借りたがってる
新興国なんかは基本的に「これからどんどん成長して、国自体が豊かになっていくぞ!」というモチベーションにあふれているので、みんなお金を借りて不動産や車などを購入したり、事業を拡大するために借金をしたがります。
みんなお金を借りたがっているので、金利も高くなるのが新興国の基本というわけです。
金利が高かったとしても、経済成長率が高い水準をキープされている国であればその借金を返しやすいので、資金を調達する場合の敷居も低いといえます。
また、新興国側としても国内のインフラ整備を重視して国内外から資金を集めたいというわけになるので、高い金利を設定することで各国から資金を集めたいという目的もある。 外貨預金の金利が高めに設定されているのはそのため。
この2つが一致したら、新興国は自然と金利が高めに設定されるというわけですね。
反面、新興国は既に成長しきっており、貯蓄もあるために借金したい人が少なくなります。 (もちろんゼロじゃないけども、あくまで相対的に)
そうなると需要と供給の原則に則って、金利は低く設定されるというのが傾向になるわけですな。
国 | 金利の傾向 |
---|---|
新興国 | 高い傾向にある (お金を借りたい人が多い…需要が高い) |
先進国 | 低い傾向にある (お金を借りたい人が少ない…需要が少ない) |
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日本の場合
上記のパターンに当てはめると、日本は既に低成長(マイナス成長ですらある)なので、お金を借りたい人は(しつこいようだけど相対的に)少なくなります。
経済成長もあまり見込めない社会の場合、お金を借りて事業を拡大したいという人も少なくなるわけなので、需要と供給の原則から考えると金利はどんどん低くなります。
ちなみに日本円の場合、基本的には日本銀行が金利を左右しています。 各国の中央銀行は世間の景気の動向を見て金利を上げるか下げるかを決定します。
日本の場合は日銀が判断し、金利を変更していくというスタイルが現在とられています。
まとめ
新興国の金利が高いのはこのふたつが主な理由です。
- 借金したい人が多い (需要が高いため、金利が高くなる)
- 海外からの資金を集めるために金利を高く設定する
実際に投資をしているとわかるのだけど、新興国でも経済成長率に陰りが見え始めた国は、金利が高いことがリスクにもなりやすいです。
例えばブラジルとか中国など、すでにある程度の規模を誇っている新興国は、経済成長による借金の返済ができなくなるリスクが高まるため、場合によっては経済成長が停滞、もしくは後退するんじゃないかという論調にも突入してきます。
それが最近のレアル価値の下落だったり、中国株の下落だったりするわけですね。 新興国への投資にはリスクがつきものというのは、こういうところも関わってくるのだろうなあ。
ブラジルレアル急落をみて、改めて「新興国の通貨への投資」のリスクを考えてみる | 怠け者の20代が投資やってみたブログ
とはいえ、世界全体ではまだまだ新興国のパワーは強く、分散投資をしておけば安定した水準の成長は見込めるだろう…というのが大きな見方のようなので、投資するならば一カ国ではなく、ある程度の複数国家にまたがった分散投資を心がけるようにしておくのが正解じゃないですかね。
僕はかねてからお話してる通り、国内/先進国/新興国に分散投資するバランス型投資信託をメインに積み立てるようにしてます。
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