頼むぞブラジル、がんばってくれ…。

2015年の2月より、ブラジル通貨・レアルのレートが急落しています。 ブラジルレアル建ての資産を持っている人は、その急落の影響で資産自体の価値が急激に目減りしているのです。

というか、実は僕もブラジルレアルの資産を少しばかり所持している関係で、このアオリを受けてしまっています。 ここ数日は下落も止まって、少しずつ上昇に転じているようにも見えるのだけど、どうなることやら。

 

投資信託における為替レートの変動というものは、非常に大きな影響があります。 そんなこと、頭ではわかっていたものの、実際に自分の身に影響してくると嫌なリアルさがありますね。 ある意味、いい勉強ですな…。

まあ、ただ嘆いていても仕方ないので、今回のような特定国の通貨だけが急落した場合など、新興国の通貨への投資に関するリスクを改めて考えてみます。

 

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今回の「ブラジルレアルの下落」を改めて見る

ブラジルレアルの急落が始まったのは2015年2月。 今現在もその渦中ですが、たった2ヶ月で46円台だったレアルが36円台まで下落しました。
Cap 2015-03-29 15.05.04

事の発端はブラジル国内の汚職によるもので、景気回復対策が停滞するのではないかという危機感から、投資家が一斉にブラジルレアルを売ってしまったことによってどんどん価格が下がってしまった、と言われています。

 

通貨レートの仕組みとして「売られると価格が下る」という原則があります。

今回の汚職問題や景気の停滞感などの材料から、「ブラジルレアルを持っているとリスクがある」と考えた人が多かったために沢山売られた。 そして、価格が下がったというのが考え方です。


ブラジルレアル急落! ブラジル系投資信託の価格も急落したけどどうするべきか | 怠け者の20代が投資やってみたブログ

投資信託の「為替変動リスク」

投資信託には「為替変動リスク」という項目があります。

為替変動リスクというのは、その名の通り通貨の為替レートの変動によって、投資信託商品の価値が上昇したり下降したりするリスクのことを指します。

日常的にニュースで騒がれている円安・円高も、この為替レートの変動のことを指しての話ですね。

例えば購入時には10000円だった投資信託が、為替レートの変動によって1か月後に9000円に下落した場合。

この場合、単純に10,000円で購入したものの価値が9,000円に下がったということなので、保有者は実質損をしたということになるわけです。
Cap 2015-04-05 14.23.27

 

ブラジルレアルの場合、これがさらに7000円、6000円台まで落ちているというような状況のため、非常にハードな急落だと言われている、というわけですね…。

これがいくつも資産を持っているうちのたった一部だけというのならまだしも、ブラジルレアル資産だけ持っていた場合、それはもう恐ろしいことになっているのでしょう…。

投資信託商品を購入する場合は、この為替変動リスクというものは常につきまといます。 

投資信託だけがリスキーなわけではない

ただし、これは投資信託にかぎらず普段使っている日本円でも同じ話だということも、理解しておくべきです。

例えば海外の商品で、日本円にして10000円となる商品を購入した場合。 これも、為替レートの変更によって翌月には9000円で買える状態になっていたらどうでしょう? 結局、1000円分は損したということになりますよね。

結局はこれと同じことです。 

 

日本の商品だけを購入していたら為替レートなんて関係ないじゃん…と思うのは間違いです。 もはやこの日本だけで作られている商品はほぼゼロになっていると言ってもいいでしょう。 何かしら、海外の部品や原材料を使っているはずなのです。

そうなると、海外の為替レートは結局、日本国内の商品の価格にも影響してきます。 日本国内の商品が値上げしているのもまさしく為替レートの変更の影響、そのものと言えますね。

基本的に新興国の通貨は乱高下するもの

さて、話を戻して…。

基本的に新興国と呼ばれる国の通貨は、先進国通貨と比べると変動が大きいとされています。 実際、ブラジルレアルなんかはこの有り様ですからね。

投機の場合は、この乱高下を利用して利益を得たりするのでしょうが、とりあえずお金をだして運用はプロにお任せ、なスタンスの投資信託などには、正直あまり向いていないと考えるのが妥当なんじゃないでしょうか。

 

ちょっと古い資料だけど、新興国の通貨の乱高下に関してわかりやすい資料があったので貼っておきます。 ブラジルレアル、インドルピー、南アフリカランドなどの価格の推移を表したもの。 グニャングニャンしてますね。
Cap 2015-04-05 14.57.34


「新興国通貨=買い」に転機 経済の実力で明暗 :Money&Investment :コラム :マネー :日本経済新聞

新興国は成長に対するパワーがあるとはいえ、先進国と比べて政情不安や政府の大きな方針転換など、為替レートへ影響する要素が多いものなので、基本的に乱高下してしまうもの…と考えたほうがいいのでしょう。

あまり詳しくない人は、新興国通貨は手を出すべきじゃないかも

新興国の通貨建ての投資信託、たとえば債券や株式を所有している場合はこの急落のリスクが存在するということを把握したうえで持っている必要があります。

鉄則としては、あまり詳しくない新興国の資産は買わないこと。

考えたくないけども今の時期、まさしくブラジルレアルの資産はどんどん売りに出されている最中でしょうから、なんとかして買わせたい! という営業が、あまり詳しくない人に向けてレアルの資産の購入を勧める…なんてあくどいことも有り得るかもしれない。

このあたりは注意して、自分の判断で購入するようにしましょう。

 

(とはいえ、あまり投資に詳しくない時期にオススメされて所有していたというブラジルレアルの資産なので、僕が偉そうなことは言えないのだけど。 まあ、反面教師としてね…。)

まとめ:リスクを回避するならバランス型でOK

  • 投資信託には為替変動リスクがある
  • 新興国の通貨は基本的に乱高下するもの = ハイリスク
  • 乱高下のリスクを知った上で、資産を購入するべき

リスクを取りたくない…という考えなのであればやっぱりバランス型の投資信託を選んで、メインに購入するべきでしょうね。

新興国に投資するにしても、複数国家への分散投資が良いと僕は思います。 特定国家だけだと乱高下のリスクは捨てきれないけども、複数国家に細かく分散されていればよっぽどのことが無い限りは安全じゃないだろうか。

 

バランス型投資信託だと、この2つが有力商品のようです。


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投機目的なら新興国通貨は狙い目かもしれないけど。 あくまで投資として、着実に富を増やしたいということで考えれば、やっぱりリスクはどんどん避けていくべきなんですよね。

とりあえず広い地域に分散して投資をしておけば、大損はしないし着実に富も増やせる、と考えた方がいいんじゃないかな。

それでは!