「経済成長」と「格差の拡大」は同時に必ず起きる、という話

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ちょっと興味深い話だったのでご紹介。

「アベノミクスは格差拡大を助長している!」という批判をよく目にしますよね。 確かに富裕層とその他階層の所有する資産には大きく差が出てきてるのは、確かに実感としてあります。

 

が、経済が成長すると同時に、格差の拡大はかならず起きるという説があります。 それは一体どういうことなのか? ちょっとまとめてみます。

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リスクを取らないリスク

格差拡大について、語っていたのはこの書籍。

個人単位でのリスクを取らないリスクというよりももっと大きな、国単位でリスクを取らないまま手をこまねいているとどうなるのか…ということを、米国と日本の経済の推移を例にして解説した書籍です。

 

 

終盤は個人単位で取っていくべきリスクについても書かれているけど、それはほんの一部という感じで、日本経済がかつてバブル崩壊後に取らなかったリスクに関する話がメインだと考えてよろしいかと。

最近は何かと格差拡大の助長をしていると批判されることの多いアベノミクスについても一定の評価をしていて、「経済が成長すると格差拡大は必ず一緒に起きる」ということを経済学の観点から説明しています。

第二の問題は、株価の上昇にともなって「アベノミクス長者」という言葉が生まれたことです。

長者の出現が格差を意味し、それを助長するアベノミクスはけしからん、という穿った見方が出てきました。 しかし、私が講演でよく申し上げることがあります。

「日本の人は、頑張った人にご褒美が与えられるべきであることはよく理解している。実際、世界の標準的なルールもその通りだ。

しかし日本の人があまり理解していない、又は理解を避けているもうひとつの世界標準のルールがある。 それは、リスクを取った人にもご褒美を与えるという事実だ。」

技術革新で格差が拡大する

この書では技術革新などによる経済発展が発生すると、格差が拡大するとしています。

ここ最近でいえばIT技術の発展によるグローバルビジネスの高速化も、そうした経済発展のひとつと考えていいでしょう。

こうしたグローバル化にともなって世界各国の安い労働力と競争する必要が出てきた労働階層は、生活が苦しくなるわけですね。

その一方で、経済発展の並にうまく乗って利益を得た資産家や、高度な技術を持った希少な人材は相対的に希少価値化して高収入を得ることができるようになる。 そうして、次第に格差が拡大していく…という説です。

☑ 技術革新により格差が発生する

 

こうした格差の拡大は過去の歴史的にも発生している、ということも語られてます。

ここ1980年代以降に起こったハイテク革命やグローバル化は世界経済に繁栄をもたらしましたが、同時に格差の拡大をも生むことになりました。

過去に照らし合わせても、農業から工業への移行期、産業革命、鉄道の開発時にもあったように、社会が新しいステージに移行する際、これは避けられないことです。

確かに産業革命以降に現れた「ブルジョワジー(資本家)」「プロレタリアート(労働者)」についても、格差が生まれたことによって新しい階級という格差が発生したのだ…とも取れますよね。

格差が生まれたとはいえ、産業革命によって人類の生活は格段に進歩して豊かになったことも間違いないわけだから、今後も経済が成長したら、格差が生まれるということは歴史上からみても自然なことだといえるみたいですね。

そして重要なことは、それら革新によって得られた利益の多くは、それら革新を起こした企業家や資本家に向かうのであって、労働者が得るのではない、ということです。

経済成長でも格差が拡大する理由

ここまでの話だと、経済成長とイコールというよりも技術革新などの産業革命が格差を生むだけなんじゃないか、というような気もするのだけど、それだけでもないのです。

経済成長で真っ先に利益を得るのは株主などの資産家と言われてます。 経済成長のリターンを受け取ることができるのは、株式を購入するといったリスクを取った者が優先されるからです。

経済成長は株価が上昇することとほぼイコールなので、リスクを取った株主と、そうでない人間との間にはリターンの有無という格差が発生するわけですね。

☑ リスクを取った人間と取らない人間との間で格差が発生する

不景気になると格差は縮小する

逆にリーマン・ショックのような世界的な金融危機では、資産家の資産も大きく目減りすることになるので、富裕層と一般層の格差は縮小することになるわけです。

ただし、再び経済が成長すると、またその格差は大きくなります。

2007年にはじまった金融危機では高額所得者の所得が大幅に減少し、格差が縮小する結果となりました。

しかし金融危機でズタズタになってしまった経済を立て直すことができるのは、頑張った人、リスクを取った人により多くご褒美を与える資本主義に他なりません。 アメリカは財政・金融をフル動員して頑張った人、リスクを取った人により多くご褒美を与える政策を実行し、金融危機から立ち直ってきたのです。

2014年時点では金融危機前に比べて株価は大幅に上回っており、金融危機後に失われた雇用は全て取り戻しました。 しかし、その代償が再び拡大した格差です。

クズネッツ曲線

経済成長に伴う格差拡大については、アメリカの経済学者が提唱した「資本主義経済の発展は社会の不平等を広げるが、その差はやがて自然に縮小され不平等が是正されるとする。」という法則を説明した、「クズネッツ曲線」という法則もあり、かなり現実的に説明されているみたいです。


クズネッツ曲線 – Wikipedia

残念ながら僕は経済学者じゃないのでこの曲線の細かい説明は勘弁させていただくとして、こういう具体的なデータもあるよ、ということで覚えておいてもらえれば。

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結局のところ、格差を拡大させずに経済成長をさせようとするのは限りなく難しいということになるらしい。

一応この書の中では格差を拡大させずに経済成長させるにはどうしたらよいのか、ということも書かれているけど、あまり現実的ではない方法だったし、この日本で実現される可能性はどうにも低そうです。

 

そういうわけで、景気が良くなれば格差も再び拡大するのはもう仕方がないことと考えてしまった方がよい気がします。

格差拡大を助長しているからアベノミクスがイコール悪! と短絡的に考えるのではなく、経済成長をする上で避けられない事象だと思えば、不満はある程度取り除けるんじゃあないかなあ。

 

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